肩こりは病じゃない・・・
医学的に「肩こり」という病名は存在しません。
「肩こり」という名称自体がとても曖昧で、
特に我が国では昔から「肩こり」に悩む方たちを
色眼鏡でみる傾向があります。
「肩こり」は病気じゃない。
「肩こり」ぐらいで…。
確かに肩が凝ったら、生死に関わるか?と聞かれたら。
答えはNoです。
でもこれが「腰痛」ですと話がちょっと違います。
「腰痛」では、動けない、歩けない、起き上がれない、
といった周りの人から見ても分かりやすい日常生活に
支障をきたす他覚的所見があるので人に気にしてもらえますが、
肩こりとなると話は別で、肩こりくらいで・・・
という反応が世の中の一般的な認識になってしまったりします。
肩こりっていう症状が分からない
という幸運な方も多くいらっしゃいます。
また「外国人(欧米人)には肩こりが無い」
なんて話をよく聞きますが、そんなことはまったくありません。
確かに欧米人は日本人に比べて
人種的に骨格がしっかりできていますが、
欧米人でも肩こりに悩んでいる人たちは大勢います。
みづほ整骨院の院長は、以前に千代田区・港区で
大使館の職員を対象に、たくさんの欧米人を治療しておりましたので間違いなく断言できます。 ただ、彼らには「肩こり」という、自分の肩の張りを訴えるちょうどいい言葉がないから、そのような誤った風評がたってしまいうのでしょう。ちなみにこの「肩こり」という上手な言い回しの言葉は、夏目漱石が小説「門」の中で、当時とても辛かった自分の肩の状態を言い表した造語だそうです。
「肩こり」のないひとにとって「肩こり」なんてしょせん「肩こり」なんです。
残念ながら肩こりでお悩みの患者様の多くが、その辛さを周りに訴えづらい環境がわが国には存在します。
「肩こり」なんて怠惰な言い訳。そんな風に周りから理不尽な目で見られたり・・・。
ですから肩こりにお悩みの方は自分の辛さを口にしづらいため、精神的に参ってしまうケースが良く見受けられます。
しかし!
「肩こり」お悩みのかたにとって辛い肩こりは、されど肩こりなのです。
辛い肩こりは、頭痛、不眠症と並ぶ立派な不定愁訴です。
「肩こり」の治療法は昔から「貼り薬」「飲み薬」「あん摩・マッサージ・指圧」と相場は決まっていますが、これらは残念ながらその場しのぎの対症療法でしかありません。
とりあえず楽になれば。それでいいという方はもちろん、その場しのぎの対処法をとっていただいていいと思います。
しかし!
もっと積極的に、この不快な「肩こり」とお別れしたいとお思いの方はもうしばらくお付き合いください。
肩こりのメカニズム
さてここで質問です。人間の体の中で一番重いところはどこでしょう?
答えはカンタン。人間の体のなかで一番重いのは「あたま」です。
このあたま、当たり前ですが細い首の上に乗っかっていますよね。しかしこんな細い首だけであたまを支えることは容易ではありません。あたまを支えるための筋肉はいつも疲れているのです。
ちょっと考えてみて下さい。
あなたが高いところにポツンと立たされて、そこの足場がぐらぐらしていたらあなたのからだはどうなりますか?
あなたはきっとその不安定さに身が縮むことでしょう。歯をくいしばってバランスを保とうとするはずです。
人間のからだでもそれと同じことが起こります。骨盤や胸郭が不安定ですと、上に乗っかっているあたまや首はそれを支えるために一生懸命に硬くなろうとします。また、体が曲がっていても視線はまっすぐを保とうとするため、首の後ろの筋肉は常に踏ん張ります。
常に負担のかかっている僧帽筋・胸鎖乳突筋など、頭を支える筋肉には疲労が溜まる一方です。
ところで。
人間の胸部で一番重量のある臓器はなんでしょう?
これも当然ながら「心臓」です。
「心臓」はよく自分の拳を握ったものと同じ大きさだと言われていますが、この大きくて重い臓器は常に首から吊るされた状態でその位置を維持しています。
「心臓」の重量が約350g、だいたいリンゴ一個分です。
これが常に首からぶら下がっていると思うと…。
上から「頭」下から「心臓」
人間にとって大切な、しかも重量のある二つの臓器の負担を、首は常に担っているわけです。
日頃、体重の変化の無い人は、普段の自分の自重、体重って普通あまり気になりません。
「肩こり」が気にならない人ってそういうものなのです。
体重ならその気になればダイエットをがんばって減らすことができるかもしれません。
でも、「頭」と「心臓」が無い人って絶対にいません。
誰でも同じように首・肩には負担がかかっているのです。
ではそんな「肩こり」を根本的に治療することが可能でしょううか?
もちろん可能です!
しかし!そのためには
「骨格」「筋肉」「“気”」
この三つ要素を向上させることが必要です。
骨格を立たせるために筋肉の力が必要です。そしてその筋肉をシャキッとさせるには“気”が充実してなければなりません。
“気”というと何か怪しい感じがするかと思われますが、別に特別なものではありません。生命力とか元気とかそういうものだと思ってください。
精神的な疲労もこれに含まれます。“気”が病になってしまうと立っているのはおろか、座っている体勢を保持することも億劫になってしまいます。
“気”を充実させるためには、充分な栄養と休息が必要です。そして“気”を充実させるためにはきちんとした姿勢が肝要なのです。
そうなんです、この人間を立たせるための3つの要素、「骨格・筋肉・気」はそれぞれに依存しながら成り立っているのです。我々が健康に生活するためにはこの3つの要素がバランスよく活性化してなければならないのです。
肩こりとは、この3つの要素のいずれか、または全部が弱っていると起こるものなのです。ですから同じ年齢で同じような体格の方を比べてみても、一方の人の骨格がゆるかったり、元気が無い状態だったりすれば、肩こりの度合いもぜんぜん違ってきます。
多くの場合、肩こりの原因は凝り固まった肩以外の場所に隠れています。
当院では、肩や首に対して負担になる構造的な原因を一つづつ除去していきます。
しかし、原因となる元を治療しても即効性の無い場合があります。
その場合、凝り固まった部位に対して直接施術したほうが、早く楽にできる場合もあります。
「肩こり」にお悩みの方は、特にに心臓を取り囲んでいる
「心膜」に少なからずのストレスがかかっていることが多いのでその「心膜」の負担を取り除くだけでかなりの効果が見込めます。
そのうえで、心臓に還元してくる静脈の流れを改善していくと、ほとんどの場合、肩こりや背部の痛みを忘れてしまうようになるでしょう。
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