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婦人科疾患の手技療法。みづほ整骨院です。

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婦人科の為の手技療法 みづほ整骨院

産後の治療

 

出産後、身体の全ての隔膜はリセットしてなければいけません

人体における筋膜の流れは概ね、上から下へ、下から上へと体腔に沿って縦方向に、又は体腔を囲むように輪状に走行しています。

また、体腔を隔てる必要がある場所には隔膜と呼ばれる結合組織が存在します。

●大脳と小脳を隔てる小脳テント
●胸腔と腹腔を隔てる横隔膜
●胸腔と頸部を隔てる胸郭上膜
●骨盤の最下部である骨盤隔膜


さらに、生殖器が収まる小骨盤と腹部を隔てる腹膜も隔膜として機能しています。

四肢においても、上腕と前腕の間に在る肘関節、手関節、指の節の関節、大腿と下腿の間に在る膝関節、足関節、足根骨の間の関節、足底腱膜も隔膜として機能しています。

この隔膜はそれによって隔てられている体腔の内部圧力を維持する役割があります。例えば胸腔内圧は大気圧より低く、腹圧は高くなっています。この圧力の差があるために静脈血やリンパ液は流れることができるのですが、隔膜組織に捻れや歪みが生じると、血液やリンパ液等の体液の流れを阻む原因になります。

身体が正常に機能していれば、隔膜は呼吸と共にすべての隔膜が連動して動きます。深呼吸をすれば横隔膜は収縮し下方に下がります。この動きによって腹圧は上昇し、骨盤隔膜を下方に下げます。上昇した圧力は下肢に伝播し、膝関節、足関節、足底腱膜に張力を生じます。

ところが、妊娠によって巨大化した子宮がこの隔膜システムに大きな痕跡を残してしまうことがあります。増大する子宮の圧迫によって横隔膜はしだいに上昇し、非妊時と比べると約4p挙上します。子宮による横隔膜拳上のため、妊娠中は胸式呼吸になります。また妊娠中、胸郭の変形もみられ、胸部横径は約2cm拡張し、胸囲は約6p増加します。

肋骨の下部は平坦化し、肋骨角度は増加します。これは出産した後、子宮が元通りに戻れば、自然と回復してくるものですが、現実には妊娠時に圧迫されたままの状態で何年も経過している女性は珍しくありません。

一方、骨盤隔膜は経腟分娩の場合、ホルモン等の影響により隔膜自体が緩くなり、その状態で出産に至るわけですから、当然損傷を受けることになります。これによって産後、骨盤隔膜は下降傾向になります。これも出産後に自然と回復するといわれておりますが、横隔膜が拳上したままの経産婦の場合、骨盤隔膜の位置異常も回復しづらい傾向にあります。

子宮や卵巣を覆う腹膜も、出産時に強引な介助(吸引分娩や鉗子分娩など)を施された場合、負圧の力が加わる子宮のダメージに続いて、下方に下がったままでいることがあります。

一方、胸郭は妊娠時に胸部横径が約2pも拡張し、胸囲は約6p増加します。肋骨の下部は平坦化し、肋骨角度は増加します。これはポンプ・ハンドルやバケット・ハンドルが拳上状態で固定されていることを意味します。その結果胸郭上口も拳上状態で固定されている事があります。

妊娠・出産によって、この「胸郭上口」「横隔膜」「骨盤腹膜」「骨盤隔膜」の呼吸による動きの連続性に齟齬が生じることが非常に多くみられます。この隔膜の不均衡は妊娠中の母体の状況や出産方式によって様々なバリエーションが存在します。

一般的な経腟分娩の場合、横隔膜が拳上状態で固定されて、骨盤隔膜が下垂している状態が慢性化しているケースが多いかもしれません。産褥期を過ぎて半年近く経過してもこの状態が続いているようであれば、それは産後数年から数十年経過したあとでも慢性的に継続してしまうかもしれません。そうした女性は残念ながら産後の緩い体型でその後の人生を歩むことになりかねません。そうした事態にならないように我々オステオパスは産後の女性に対して啓蒙的な発信を続けなければなりません。

産後の経産婦の検査には通常行われるオステオパシーの検査に加えて次に掲げる検査要綱を加味する必要があります。

               立位検査

●骨盤の可動性検査

患者の後方から、仙骨、腸骨、仙腸関節、尾骨、股関節の互いの位置的変化と可動性を評価する。特に左右の股関節を通る横軸に対して慎重に評価しなければならい。

●骨盤隔膜の呼吸による動きの検査
患者の側方から恥骨と尾骨にコンタクトして呼吸による骨盤隔膜の動きの評価を行う。

●横隔膜の呼吸による動きの検査

 後方手を胸腰移行部に、前方手を横隔膜にコンタクトして横隔 膜運動の評価を行う

●腸間膜の検査
後方手はL1レベルに、前方手は恥骨結合の上部にコンタクトして腸間膜の動きを評価する。

●胸郭上口の呼吸による動きの検査

●後頭三角の呼吸による動きの検査
●小脳テントの呼吸による動きの検査
 小脳テントも呼吸によって可動しています。
 吸気で下がり、呼気で戻ります。母指を小脳テントに這わ せて動きに追従します。

座位検査

 ●座位での骨盤隔膜の検査
患者の後方に座り、術者の両手を患者の坐骨の内側にあて、その上に座ってもらう。その状態で患者に深呼吸をさせ、骨盤隔膜の動きを評価する。


●座位での仙腸関節の評価

  

            仰臥位検査

●尿膜管三角の評価
尿膜管とはヘソと恥骨の間で、我々がお母さんのおなかの中にいた頃に使っていた「胎児循環」の組織の名残である「正中臍索」と「左右の「臍動脈索」によって出来る、下腹部のポイントです。この延長線に「膀胱」や「子宮」「直腸」が収まっています。この部の変位からそれらの臓器の位置的な状態を見極めます。

●恥骨結合の評価
出産時、恥骨結合には大きな力が架かります。恥骨結合の離解や位置的な検査を行います。



●閉鎖膜の検査
閉鎖膜は子宮と大腿骨を結ぶ重要な部位です。閉鎖膜のテンションが減弱すると生殖器及び股関節の健全な張力が消失します。
●股関節の可動性の評価

 ●大腰筋の検査

●鼠蹊部の状態を評価する
子宮円索が牽引されることによって鼠径管の狭窄が起こりえる。
●骨盤隔膜の評価
出産のダメージで骨盤隔膜が下方に変位しているかもしれない。骨盤底の尿道三角と肛門三角に分け、それぞれを左右に分けてそのテンションを評価する

●腎臓の位置的な評価
子宮の圧迫により腎臓が腎筋膜にへばりついてしまっているかもしれません。

●肝臓の位置的な評価
子宮からの圧迫によって腹膜の反転部や無漿膜野にストレスが加わり、肝臓の自動力が消失しているかもしれません。

●横隔膜の動きの評価


●胸郭の動きの評価
妊娠によって女性の胸郭は前後径が増加し、横径が減少する傾向の、典型的な経産婦胸郭を呈する可能性があります。

●胸郭上口の評価&第一肋骨の可動性の検査
胸郭上膜は拳上した状態で固定されているかもしれません。

●心臓の位置的な評価
横隔膜からの圧迫により、心尖部は外方に転位しているかもしれません。また、心拍数の増大によって左心は肥大傾向になります。

                伏臥位での検査

 ●骨盤全体の検査と評価  

 ●仙腸関節耳状面の評価  

 ●尾骨の評価       

 ●仙結節靭帯・仙棘靭帯の評価  

 ●坐骨棘から恥骨結合までの骨盤筋膜腱弓の評価  

 ●L5の評価  

 ●胸腰移行部の緊張の評価

上記の検査を、通常のオステオパシー検査に加えて全身的に診て行います。

治療の要諦は隔膜の機能を回復することです。 

これら隔膜の連続性の不均衡は、出産状況によって変わりますので、詳細に検査をしなければなりません。

産後の調整はよほど特殊な事項が無い限り、初診時の治療と、その後2〜3週間のインターバルを置いて再来院していただいたときに行うリセットの二回の治療でほぼ完了します。
*出産のダメージがひどい場合や、産後数年経過して、身体がその状態に馴染んでしまって年数が経ってしまった場合はその限りではありません。

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