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婦人科疾患の手技療法。みづほ整骨院です。

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婦人科の為の手技療法 みづほ整骨院

分娩後の問題

●子宮の変化

妊娠していないときの女性の子宮の大きさ、鶏卵大と言われています。着床した時の胎児の大きさはわずか1oぐらいです。

 

■妊娠2か月  胎芽は2か月終わりくらいには約4グラム、頭からお尻までの長さは約12mmになります。 この頃にはもう心臓も動いてます。

■妊娠3か月  胎児の重さは約30グラム、頭からお尻までの長さは約47ミリになります。およそにぎりこぶし大の大きさです。この頃には尿も排泄されます。

■妊娠4か月  胎児の重さは約100グラム、身長は約16センチと急激に大きくなります。子どもの頭の大きさくらいになり、骨や筋も出来てきます

■妊娠5か月  胎児の重さは約280グラム、身長は25センチ。大人の頭の大きさくらいになり、お腹のふくらみが目立ち始めます。

■妊娠6か月  胎児の重さは約600グラム、身長は30センチ。子宮底長は1821pでおへそのあたいりまでの大きさとなり、脳の発達が著しい時期です。

■妊娠7か月  胎児の重さは約1,000グラム、身長は35センチほどです。子宮底長はお臍より3横指上くらいまで2224pになります。お腹が重くなり、妊娠線が現れ始めます。

■妊娠8か月  胎児の重さは約1700グラム、身長は約40センチです。子宮は2729pくらいで、子宮底長は2730pでお臍とみぞおち、胃の方までせりあがってきます。子宮の巨大化により胃や心臓が圧迫され始めます。

■妊娠9か月  胎児のの重さは約2400グラム、身長は45センチ、胎児の頭囲は32~34センチ、肩幅は11センチ、腹囲は27センチほどになります。子宮は3032pになり、子宮底長は2831p、お腹の高さが一番高いのがこの時期です。

■妊娠10か月 いわゆる臨月の子宮は3335pで、子宮低長は3235pくらいです。胎児は50p、3100gくらいになります。赤ちゃんが骨盤の中に下がり、子宮底が下がってきます。

 

子宮の位置は、お腹のふくらみが気になり始める5か月ころになると徐々に変化していきます。骨盤内臓器を押しのけて、ぐんぐんと成長していくイメージです。非妊娠時に比べて、子宮は約5倍になり重さも約15倍になります。

 ●母体の変化

● 妊娠による卵巣の変化

妊娠中、卵巣は約1.5倍に増大します。排卵後妊娠が成立すると、黄体は退縮せずに妊娠黄体となり、妊娠第3月頃までに発育し、妊娠第6月以降は退化し、分娩後は白体となります。

 卵胞の発育は妊娠黄体と胎盤からの黄体ホルモンの影響で抑制され、排卵も抑制されます。

● 膣の変化

膣は妊娠の進行とともに膣粘膜の毛細血管が拡張し、子宮頸部と同様、暗紫色を呈する(リビド着色)ようになり、潤軟化します。膣分泌物は増加し、おりもの(帯下)は白色乳汁状となります。膣上皮のグリコーゲン含有量が増加するため、膣内のpHpH4前後となり、このために膣内の雑菌の増殖が抑えられます。膣の筋繊維は肥大して、弾力繊維も増殖。膣はだんだん大きく長くなっていきます。膣粘膜も厚くなり、しっとり柔らかくなって、出産に備えていきます。赤ちゃんがいよいよ出てくるときには、子宮の出口から子宮頚管、膣までがひと続きの筒状になって通り道となります。

● 外陰部の変化

妊娠中は、大陰唇、小陰唇ともに肥大し、色素沈着が著明となります。皮脂腺および汗腺の分泌が増加し、外陰は湿り気を帯び、潤軟化します。子宮の容積の増大により下大静脈が圧迫され、静脈圧が上昇し、その結果、外陰の皮下静脈にうっ血が起こり、うっ血性変化が著明となる外陰静脈瘤が発生しやすくなります。

また、子宮を支えている子宮円索は外陰唇に腹膜と共に付着しています。これは巨大化する子宮に対して前方への支持バンドの役割を果たします。恥骨はこの子宮円索を介して子宮の下支えをしているのです。しかし収縮性のある筋線維で構成されている子宮に対して子宮円索は伸縮性がありません。そのためその付着部には牽引のストレスが加わります。

私のの個人的な見解ですが、大陰唇に付着するこの子宮円索は、出産時の骨盤の弛緩に関して、力学的、若しくは神経学的に関与していると推測しています。


 ● 循環器系と心臓の変化

子宮の巨大化によって横隔膜が拳上し、心臓が押し上げられることで心臓の上方転位を引き起こします。循環血液量は、主に血漿成分の増加により、妊娠初期から徐々に増加し、妊娠30週ごろに非妊時と比較して4050%近く増加して最大となり、以後、分娩時まで維持されます。 血漿成分が約50%増となるのに対し、赤血球量の増加は約30%であるため、妊娠中は相対的に貧血の状態となります。妊娠中の循環血液量の変化をみてみると、妊娠20週前後から急激に増大し、妊娠3032週前後で最大となります。正常妊娠では、このような変化と同時に末梢血管抵抗は低下して子宮循環血液量は非妊時の約10倍、腎血流量は約30%増加します。この循環血漿量の増大は妊娠後期まで維持され、分娩とともに減少します。

 循環血液量とは循環血漿量と循環赤血球の合計です。妊娠中は母体自身の体重が増加し、胎児への血液を確保する必要もあるために、循環血漿量と循環赤血球量がともに増加し、このため心拍出量が増え、心臓の負担が増大し、結果的に左心は肥大傾向になります。

● 妊娠中の血圧の変化

妊娠中は、循環血液量や心拍出量が増加するにもかかわらず、動脈血圧は低下します。

これはプロゲステロンが生理的に増加するためで、その末梢血管拡張作用の影響で末梢血管抵抗が低下し血圧は低下します。これは妊娠に伴う母体循環系の変化のもっとも特徴的な減少の一つです。妊娠初期から妊娠中期にかけて収縮期圧で510oHg、拡張期圧で1015oHgの血圧低下がみられ、その後、妊娠後期にかけて非妊時のレベルまで上昇します。プロゲステロンの血管拡張作用は子宮血管でもっとも顕著に認められ、避妊時の子宮への血流量は全心拍出量の約2%であるのに対し、妊娠後期では全心拍出量の約17%となります。このように子宮血管床はプロゲステロン作用によりもっとも血管抵抗が低い状態となっているため、子宮の血流量は体血圧に依存しています。したがって、妊娠中の血圧が非妊時より高い場合には、たとえ高血圧の領域に入らなくても異常と考えて注意が必要と考えられています。

 

● 妊娠中の体位による心機能の変化

妊娠中の姿勢は母体の心機能に影響し、心拍出量、心拍数、1回拍出量、血圧ともに、仰臥位、側臥位、座位、立位で大きく変化します。心拍出量に関しては、最大の心拍出量が得られるのは左側臥位であり、とくに妊娠後期では増大子宮が下大静脈を圧迫する状態となる仰臥位と、心拍出量に毎分数1Lの違いが生じるため、仰臥位低血圧症候群と呼ばれます。

 仰臥位低血圧症候群は、めまい、嘔気、失神など症状の発生にとくに注意が必要とされます。この現象は妊娠24週ごろより認められ、妊娠3840週にもっとも大きく現れます。しかし、多くの正常妊婦さんでは仰臥位のときでも末梢血管抵抗の上昇によって代償されるため、極端な低血圧は起こりにくいとされています。また、妊娠中の姿勢によって変化する、増大した妊娠子宮による圧迫は、静脈系のみならず動脈系にも影響を与えます。すなわち下行大動脈が圧迫されることにより、上・下肢の血圧に格差が生じます。この格差は座位ときにもっとも高く、仰臥位のときには低くなり、また、側臥位の場合、身体の下側になった腕と上側の腕では収縮期圧が異なります。これらの変化の結果として、正常妊娠の場合でも息苦しさや動悸の訴えが生じることもまれではなく、このような場合には側臥位とすることで心拍出量、血圧ともに低下すると報告されていることから、体位変換を行うことも対応の一つといえます。

 呼吸器の変化

妊娠に伴う呼吸器系の解剖学的変化

妊娠経過に伴い、子宮はしだいに増大し、子宮底が上昇します。 増大する子宮の圧迫によって横隔膜はしだいに上昇し、非妊時と比べると約4p挙上します。子宮による横隔膜拳上のため、妊娠中は胸式呼吸になりやすい。また横隔膜が拳上することによって肺実質の体積が減少して予備呼吸量と残気量の合計である「機能的残気量」が減少する。これを補うために一回換気量は増大します。

 妊娠中、胸郭の変形もみられ、胸部横径は約2cm拡張し、胸囲は約6p増加します。肋骨の下部は平坦化し、肋骨角度は増加します。これらの変化は子宮による圧迫が起こる前から始まっているといわれています。

 



 
消化器系の変化

● 妊娠に伴う口腔の変化

昔から「一子を産めば一歯を失う」格言があります。「妊娠すると子供にカルシウムを取られるから、歯がボロボロになった。」という話をよく聞きます。しかし、非常に特殊な場合を除けば、身体の病気によって歯や歯を支えている骨からカルシウムが取られるということはありません。しかし妊娠が妊婦さんの口腔内の環境に影響を与えることは知られています。 虫歯の原因は、歯面上で増殖したプラーク中の虫歯菌が産生した乳酸などの酸が、歯牙のエナメル質を脱灰することによります。 妊婦は妊娠初期のつわりが落ち着いたあとは食欲が亢進するため、間食や食事の回数が増え糖分摂取が頻繁になり、虫歯になりやすい環境にあります。さらに唾液の酸性化、胃液の逆流による口腔内の酸性化なども相まって口腔内の清潔を保ちにくくなることが虫歯の誘因と考えられています。また、妊娠性歯肉炎にも罹患しやすくなります。

 

● 妊娠に伴う食道の変化

妊娠中は増加するプロゲステロンによる影響が強く、その平滑筋弛緩作用により消化管の蠕動運動が低下し、胃内容の食道への逆流をきたしやくなります。半数以上の妊婦は食道部の不快感、いわるる”むねやけ”を妊娠後半期に訴えます。食道の蠕動運動は低下し、噴門部括約筋は弛緩します。さらに、妊娠子宮の増大により胃が圧迫され胃内容が上昇するため、酸性の胃内容物が食道に逆流しやすくなり、いわゆる逆流性食道炎がおこり、むねやけが発症します。

妊娠に伴う胃の変化

胃は子宮の過度の伸展に圧迫されて妊娠後半には転位し、横隔膜下で左下方に押し上げられて軸45度回転しています。妊娠中はプロゲステロンの増加と妊娠子宮の増大による機械的圧迫により胃の運動性が低下し、胃内容排出時間が遅延すると考えられていましたが、最近では妊娠中にはとくに運動性は低下せず、分娩時に著明に低下し、胃内容の排出が遅延するものと考えられています。また、胃酸の分泌は妊娠中期までは低下することが、妊娠後期には増加するため、分娩時の全身麻酔は胃内容の逆流による嚥下性肺炎を起こす危険性が高いので、とくに注意が必要となります。

 

● 妊娠に伴う肝臓の変化

肝臓は妊娠後期には増大した子宮により横隔膜下、上後方に圧迫されるため触知しにくくなりますが、実質臓器故、その容積にあまり変化はみられません。肝臓に対する妊娠の影響はむしろ肝臓自体の自動力の減少に留意が必要です。肝血流量は、ほとんど不変であるのに対して心拍出量や循環血液量は増加するため、相対的に肝血流量は約35%減少します。その結果、肝臓で代謝される諸物質のクリアランスは低下すると考えられます。

 

● 妊娠に伴う胆嚢の変化

胆嚢も妊娠によりその位置や形状が変化してしまい易い臓器です。子宮が巨大化することによって、胆嚢は横行結腸と十二指腸上行部と肝臓の間に挟まれてしまいます。また、妊娠中はプロゲステロンの作用で胆嚢の収縮は抑制され、胆道も妊娠子宮により圧迫されるため胆汁排出が遅延し、胆汁うっ帯が起こり胆汁は濃縮され、そのうえコレステロール値が上昇するため、コレステロール結石が起こりやすいといえます。

 

● 妊娠に伴う腸の変化

妊娠によって一番影響を受ける臓器は他ならぬ腸に違いありません。巨大化する子宮によって腸は後腹壁に押し付けれらて脇に追いやられてしまいます。

 妊娠により増量する各種ホルモンのうち、とくに消化管機能に影響を与えるものはプロゲステロン、エストロゲン、hCGなどがあります。とくにプロゲステロンによる影響は最も強く、その平滑筋弛緩作用により消化管の蠕動運動が低下し、胃内容の排出遅延、弛緩性便秘などをきたしやすくなります。妊婦の多くは便秘を訴えますが、これは弛緩性便秘と直腸性便秘によるものです。弛緩性便秘はプロゲステロンの増加による腸管の運動性の低下により、直腸性便秘は妊娠子宮の増大による器械的圧迫により大腸での排出遅延が起こり、便の水分が普通以上に吸収されるために起こります。妊婦に起こりやすい合併症として、痔・脱肛があります。妊婦は子宮の増大のため下肢や骨盤内に静脈瘤が発生しやすく、これに便秘傾向も加わって痔になりやすいのです。

 

● 妊娠に伴う虫垂の変化

妊娠中の虫垂は子宮の増大により次第に右上方へ移動します。そのため一定の期間、虫垂と巨大化した子宮が接触することになります。ある種のファクターにより、虫垂と子宮・卵巣が癒着を起こし、産後、子宮が元の大きさ、位置に戻ってもその癒着が解消しないことがあります。

                 泌尿器系の変化

● 腎機能の変化

妊娠により、腎の長経は約1p増大し、腎盂、尿管の拡大を認め、妊娠2224週まで最大になり水腎症を示すようになりますが、妊娠後期にはその程度は減弱します。とくに、妊娠子宮が右方への傾きからとくに右尿管系に著明にあらわれます。

 

● 膀胱の変化

膀胱は子宮のすぐ前方あります。妊娠するとどんどん大きくなっていく子宮におされて、膀胱は細長く扁平になっていきます。伸びも悪くなって、ためられる尿の量も少なくなります。 妊娠した子宮の影響で、尿管も、広がっています。もともと男性に比べて弱い尿道括約筋も、さらに弱くなって、しまりがなくなっています。これは妊娠中に増えるエストロゲンなどのホルモンの影響なのです。

● 子宮の位置の変化

妊娠中子宮は巨大化します。その際に左側ではS状結腸が存在するため、子宮は自然と右側へ変位していきます。子宮右軸回旋によって右腎、右尿管は狭窄しがちになります。

 

● 自律神経系の変化

妊娠中には交感神経緊張が副交感神経緊張より優位となるため、一般的には心拍数数は増加し、心拍変動は減少します。血圧が低下すると交感神経の活動が亢進し、心拍数を増加させるフィードバックシステムが作動しますが、妊娠中期には血圧低下に対する心拍増加反応は減弱しているといわれますが、妊娠後期には非妊婦と同様の反応を示すようになります。妊娠中の心自律神経系反応は交感神経系、副交感神経系とも減弱しますが、副交感神経の減弱がより有意であるため、交感神経系が相対的に優位となると考えられています。

この変化は妊娠中期に最も顕著であるが、妊娠後期には反応性はいくぶん回復し、心循環系機能は比較的安定してくると考えられています。

 

以上、思いついた事項を上げてもこれだけの変化が妊娠によって引き起こされます。

言葉を替えると、産後はこれだけの変化から妊娠前の元の身体に戻らねばならないのです。

これは残念ながら容易なことではありません。一般的に出産後、通常の生活に戻ることで、徐々に産後の身体は妊娠前に戻っていくと考えられましたが、産後に体が緩くなってしまった数多くの経産婦のお姿を拝見すると、図らずともそうではない現実が存在するようです。

日本では「産後の肥立ち」という言葉をよく使います。産後の肥立ちとは妊娠で変化した女性の体が、出産後に妊娠前の状態にまで回復することを指します。床上げまでに1ヶ月前後の期間が必要ですが、産後の肥立ちの期間は概ね約2ヶ月の期間が必要です。産褥期と呼ばれる期間と産後の肥立ちの期間はほとんど同じです。産後の肥立ちは妊娠前の状態に回復するまでの期間ですが、床上げは産後動き始める時期という目安です。出産前程は回復していなくても、動いても良いということですね。産褥期を経ても体調がなかなか戻らず、不調が続くことを「産後の肥立ちが悪い」と言います。

子宮復古

妊娠・分娩によって変化した子宮が通常に戻ることを子宮復古と言います。子宮復古は子宮の胎盤・卵膜剥離面に生じた多数の血管の断端面を圧迫して止血する役目をします。

子宮復古に伴い、子宮底の位置は時間をかけて元に戻っていきます。

胎盤娩出後、子宮底はヘソ下23横指の位置にあるが、弛緩した骨盤底筋群の回復と膀胱の充満により徐々に上昇します。分娩12時間後には一時的にヘソ上まで上昇するがその後は徐々に下降して産褥6週〜8週で通常時の子宮の大きさに戻ります。

産後2週間を経過しても腹壁上から子宮底を触知できる場合や、産褥6週で子宮の大きさが鶏卵以上であれば子宮復古不全を考える必要があります。

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