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下町のオステオパシー治療院 みづほ整骨院

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                 みづほ整骨院



2020年 3月8日

この日は武漢ウィルス(新型コロナウィルス)にとって記憶に残る日となるかもしれません。

山梨県在住の20代の男性が武漢ウィルスによって髄膜炎を発症したからです。

詳細な情報が無いため、何とも言えませんが、ウィルスが髄膜や髄液の中に侵入出来ることになれば、大変なことです。

これが感染性のものか、自己免疫性のものかは今後の報道を待たねばなりませんが、まずは、レアケースであることを祈るばかりです。

新型ウィルスの情報がないので、インフルエンザを例にとってお話を進めます。

脳炎? 脳症?

インフルエンザで恐ろしいのはその強力な毒素により「インフルエンザ脳症」になるケースがあるからです。

インフルエンザ脳症はインフルエンザに感染してしまった5歳以下の小さな子どもが引き起こしやすい症状です。中でも1歳未満の乳幼児が最も多く発症する傾向にあります。

インフルエンザ脳症は子どもに多く発症する症状ですが、大人でも発症する危険性があります。20歳以上の成人でも毎年1035%の発症報告があります。特に60歳以上の高齢者は割合が多く、持病がある方や免疫力の落ちている方なども発症しやすくなっています。

インフルエンザ脳症の症状は非常に早く現れることが特徴で、インフルエンザの発熱から数時間〜1日のうちに神経症状が現れます。約80%が発熱後、わずか1日足らずのうちに重症になることもあります。主な症状はけいれん、意味不明な言動(異常行動)、意識障害などです。他にも、嘔吐や、血液凝固障害、他臓器不全などがみられます。

熱性けいれんは04歳に多く、559歳では頭痛や嘔吐の症状が比較的多いという報告があります。

ウィルス感染での脳炎と脳症の鑑別は非常に難しいのですが、簡単に分類すると、脳炎とは、脳の中に病原ウイルスが直接侵入して炎症を起こす疾患で、その代表的なものとしてはヘルペス脳炎や日本脳炎などがあります。これに対して脳症では、ウイルスや細菌感染をきっかけに発症するけれど、脳や髄液中には病原体となる細菌もウィルスも見つからず、炎症反応も見られません。インフルエンザ脳症の場合は、脳内にはウィルスが検出されることはありません。

脳症ではウイルスが直に神経細胞にダメージを与えているわけではないのですが、過剰な免疫反応によって脳浮腫や神経障害が引き起こされてしまいます。

そもそも脳内には
*血液脳関門(以下BBBBlood Brain Barrier)
とも呼ばれる関所のような仕組みがあり、私たちの大切な脳へ有害な物質が入らないように抑制する役割が備わっています。


脳を維持するためには大量の酸素やアミノ酸、グルコースが必要です。それらは血液で脳に供給されますが、血液は同時に様々な有害物質も一緒に運んできてしまいます。そのために我々の脳にはそれらをふるいにかけて選択する必要があるのです。

細菌やウィルスなどは通常であればこのBBBを通過することはできません。このBBBを通過するためには、分子量500以下の物質で脂溶性の高い物質でなければ通過出来なのです。ですから大概の異物は脳内に侵入することができません。

しかし分子量の小さいアルコールやニコチン、カフェインなどはBBBを容易に通過してします。また、脳に作用する睡眠薬や抗うつ薬などはここを通過しなければ何も効果を得ることが出来なので、これらの薬品にはすべて分子量500以下のものが選択されます。

BBBは脳の毛細血管の周りを内皮細胞が覆い、それに周皮細胞(ペリサイト)が接着して、その周りを星状膠細胞の足が取り囲むような構造になっています。

過去には、日本脳炎や小児麻痺が小児の時に感染しやすいことから、脳の形成過程(胎児期・新生児)でにおいて、血液脳関門の形成が不完全であり、成人より 薬物・毒物が脳実質内に達しやすいという考え方 が常識的に受け入れられていましたが、最近の研究ではBBBは脳発達過程の早い時期に形成されるが、その形成過程にはムラがあり、成人期とくらべて発達過程では特異的な機能を有することにより関門を通過しやすくなる薬物・毒物がある可能性があることが報告されています。

また、このBBBは脳室の周囲にある松果体や下垂体、脈絡叢など脳室周囲器官には存在しません。これらの器官はホルモンなどを分泌するため、バリアーがあると邪魔になってしまうのです。

このBBB(血液脳関門)と同じように脳へのアクセスを抑制する機構に

*血液脳脊髄液関門
(以下 BCSFBBlood CSF Barrier


*血液神経関門
(以下 BNBBlood Neural Barrier)

があります。

脳にはこのように有害物質が侵入しないメカニズムがあるのに、なぜインフルエンザなどの感染症で脳に悪影響を及ぼすのでしょうか。残念ながらウィルスの侵入経路は完全には理解されてません。ただ、この脳のバリアーメカニズムには様々な不具合が生じることがわかってきました。

①ウィルスの毒性による過剰な免疫反応
インフルエンザウイルスは、最初鼻粘膜に感染して、ここで増殖して全身に広がります。インフルエンザの病原性(毒性)は、きわめて強く、このため体を守る働きをする免疫系が強烈なダメージを受けます。免疫を調節し、体内に侵入した病原体を排除する物質を“サイトカイン”と言います。サイトカインには多くの種類があり、相互に連携を取り合って働いています。これを“サイトカインネットワーク”と言います。インフルエンザは、この“サイトカインネットワーク”を障害します。その結果、過剰な免疫反応が起きて、「高サイトカイン血症」という状態になります。この状態になってしまうと免疫が正常に機能しないため、けいれん、意識障害、異常行動などが見られるようになります。

②メカニズム自体の劣化
BBBは加齢に伴って弱くなります。『アミロイドβ』が脳に浸潤し、脳で生成されている『アミロイドβ』と相まって、アルツハイマー病の進行を加速させる可能性があります。また、アルツハイマー病自体が、血液脳関門の破綻やペリサイトの機能異常を起こす原因となります。

③メカニズムとウィルスの特異的な相性による局所的 な親和性
大阪大学の村上 正晃准教授は、マウスを使った実験において、末梢神経系が活性化することで、脳や脊髄に免疫細胞の入り口となるゲートがつくられ、そのゲートを通過して病原性のある免疫細胞が血管から中枢神経系に侵入し、病気が発症することを分子レベルで明らかにしました。

多発性硬化症の場合、L5の背側の内皮細胞がゲートになって病原体を脊髄に侵入させるそうです。

この場合、抗重力筋である下腿部のヒラメ筋からの感覚神経が第5腰椎の背側に位置する神経節で脊髄につながっているため、ヒラメ筋が重力によって活性化され、その刺激が感覚神経を刺激して、第5腰椎の交感神経の活性化を誘導し、それによってL5レベルで侵入ゲートが形成されるようです。

同じようにマウスに対し大腿四頭筋あるいは上腕三頭筋を電気刺激すると、それぞれ、第3腰椎あるいは頸椎から胸椎の背側の血管において炎症を誘発するサイトカインが発現し、そしてその近傍の後根神経節も活性化することがわかりました。

これらの結果は四肢末節の筋肉に過度の負荷をかけ、局所的な感覚神経の活性化が生じると、その神経の細胞体が存在する後根神経節の近傍の血管の状態が変化することを示しています。

この事実は我々オステオパシーを研究する者にとって非常に有益な情報に成り得るものです。

末梢部の筋電位をコントロールすることによってその支配神経の神経細胞に変化を与えることが出来る可能性があるからです。

実際に仮定としてその理論に乗っ取って行われている治療法も存在し、非常によい臨床結果を上げています。

④血液脳脊髄液関門の脆弱性
脳室内の脳脊髄液と脳実質との間には脳室上衣細胞が存在し、この上衣細胞が脳脊髄液-脳関門(cerebrospinal fluid-brain barrier; CSFBB)を形成することによって,物質の移動にある程度の制限をかけています。しかしながら上衣細胞間は主として密着性の低いギャップ・ジャンクションと接着結合で結合されており、高分子量物質は脳室壁を介して脳の内外に出入りできるので、上衣細胞層でのバリア機能は不完全なものと考えられています。

BCFBは脳室という脳の深部に存在するスペースを保護するためのバリアーです。しかしその面積はBBBと比較して表面積が1/5000しかありません。

脳室は脊髄の中心にある中心管が、建て増しのように巨大化した脳の発育と共に複雑に変化したものです。脈絡叢は、神経管閉鎖直後に、側脳室、第3脳室、第4脳室が形成される部分に上皮細胞が陥入してで形成されます。脈絡叢はすぐにそれらの脈管の叢を形成し、脳で動脈や静脈が十分に形成されるよりも前に脳脊髄液が作られはじめます。最終的に脈絡叢は脈管のネットワークが高度に発達した組織になります。成熟したラット組織1gあたりの血流量は脈絡叢の方が大脳皮質よりも5倍以上多いことが認められており、脳発達初期における脳脊髄液の産出には多くの役割があると考えられています。

脳脊髄液の流体力学的な圧力は発達期の脳の三次元的な形態や層構造の形成に影響を与えます。また、脳脊髄液は発達期の脈管形成されていない脳への栄養供給源にもなります。

脈絡叢の上皮細胞は成長過程にある脳のために、血中から脳脊髄液へと様々な物質を輸送してくれます。脈絡叢の物質輸送と物質交換は双方向性であるため、脳脊髄液の継続的な産出と、中枢神経系から血中への代謝産物の能動輸送が可能になります。このことが表面積がBBB1/5000しかなくとも、BCFBがウィルスの侵入経路になりうる可能性を示唆しています。

酵素抗体法(抗体を用いた組織切片の染色法)による実験において、同じ脳室内においても脈絡叢が付着している部分と、脈絡叢が無い部分とでは、脈絡叢がある部分が圧倒的に脳内に侵入する確率が高い事が証明されています。脳室内に存在する有害物質は脈絡叢がある部分からのみ脳内に侵入するそうです。

ヘルペス脳炎やインフルエンザなど、上気道を感染経路に持つ様々な脳炎や脳症の好発部位が、側頭葉や大脳辺縁系などの側脳室に近い部位や、第四脳室周辺の脳幹部であることもそれに関係しているかもしれません。

⑤血液神経関門の脆弱性
血液神経関門(BNB)は末梢神経系に備わるバリアーのひとつで、BBBとほぼ同等の機能を持つ強固なバリアーシステムとして存在しています。このBNBのおかげで神経系の正常なホメオスタシスが維持され、末梢の循環器系からの有毒物や病的なリンパ球の侵入を防いでくれています。

ただしこの機能はギラン・バレー症候群や多発性神経炎などのニューロパシーの時には、末梢神経の再生に必要な神経栄養因子が阻まれてしまい、循環器系と末梢神経系を隔ててしまう壁となってしまいます。ポリオウィルスなど腸腔からの感染によって神経線維を介して脊髄に病巣を作るような場合には、このルートからの侵入の可能性があります。

ウィルスに感染してもすべての症例において脳炎にに及ぶわけではありません。代表的なウィルス性脳炎である「単純性ヘルペス脳炎」など、100万人あたり年間24人の頻度で起こり、日本では年間400例ほど発症するとされています。

それに対して脳症は格段に高い頻度で発症してしまうことがあります。

いずれにせよ、脳炎や脳症の疑いがある場合、速やかに脳内の脳脊髄液を硬膜外に排出することを心掛けなければなりません。

A.T.スティルは髄膜炎の治療の根幹を

「我々の仕事は、動脈血が脳に送られるスチームパイプを開き、脳と脊髄から血液を排出させる弁を持った静脈を開くことである。」
Research & Practicの中で述べています。

髄膜炎は言うまでもなく、A.T.スティルの最愛の4人の子供の命を奪い取った憎き病気です。医師であった彼は自分が学んできた既存の医療では自分の大切な命を守ることが出来なかった慚愧の念から、新しい医療である「オステオパシー」を創設しました。

彼の行ったこの治療が、彼の治療を残した唯一の映像として残されています。

 脳内の有害物質を除去するためには、まず、静脈血が心臓に戻るルートを解放することから始めなければなりません。脳領域の下流にあたる部分を灌漑しなければ、その受け皿が出来ないからです。

そのうえで頭蓋領域の静脈やリンパを排出しなければなりません。

以前までは、脳室内からくも膜下腔には左右のルシュカ孔、正中にあるマジェンディー孔から排出され、上矢状静脈洞にあるくも膜顆粒から静脈へ還元されるという事が常識とされていましたが、現在ではそれは髄膜炎や水頭症などの病的な状態においての一つのう回路に過ぎないことがわかってきました。

脳脊髄液は一日に約500mL産出されますが、同時にクモ膜顆粒から吸収される髄液はそれよりもずっと少ないのです。

では脳脊髄液はどこから脳の外へ排出されていくのでしょうか?

現在では脳組織間液や脳脊髄液の脳外への排液路 として様々なルートが確認されています。

*血管周囲排出路
脳にはリンパ組織はありませんが、脳の動脈管の中にある血管周囲腔が機能的なリンパ組織の役割を担っています。

脳組織間液は血管壁に到達すると脳毛 細血管基底膜から動脈平滑筋層内を血流とは逆行する方向に移動し、最終的に頸部リンパ節に流入すると考えられています。

*グリアリンパ排出路
脳脊髄液のグリアリンパ排出路は、動脈からアストロサイト細胞質内⇒組織間⇒アストロサイト細胞質内⇒そして血流と順行性に静脈周囲を伝わって 脳脊髄液に入り、頸部リンパ節や静脈洞といった脳外へと排出されるものです。

一方、脳脊髄液は

①以前から提唱されている、くも膜顆粒から上矢状洞内へ移行する経路。

②脳内くも膜下腔から嗅神経周囲のくも膜下腔を伝わり嗅粘膜から頸部リンパ節内に移行する経路 。

③くも膜下腔から硬膜内リンパ管に入り頸部リンパ節に流入する経路を介して脳外へ排出される経路。

④硬膜袖にあるくも膜顆粒から吸収され、静脈に還元される経路。

⑤神経周囲腔から排出される経路:脳脊髄から枝分かれした神経束内に存在する隙間を通って リンパ管に排出されるルート。

などが考えられています

特に⑤に神経束内の隙間を通ってリンパ管に入る経路は、脊髄神経の被膜である硬膜が、神経線維では神経上膜に、同じようにクモ膜は神経周膜に、軟膜は神経内膜に移行するという事実に鑑みてもより事実と合致しています。

神経束の最外表は 神経上膜(粗性線維性結合組織性被膜)で被包され、その内部は神経周膜と呼ばれる線維性隔壁で大雑把に間仕切りされ、さらにその内側は神経内膜で細かく間仕切りされています。間仕切りされた各空間には神経線維が密集性に並走しています。神経線維とは神経軸索とこれを包み込んで絶縁体の枠割を果たすシュワン細胞をひとまとめにした構造であり、髄鞘形成の有無から有髄線維と無髄線維に分類されます。

神経周囲腔は、 神経根が硬膜を貫く際にクモ膜下腔から連続する空間です。これは琵琶湖から大阪湾に流れる淀川が大阪では「淀川」京都府では「宇治川」滋賀県では「瀬田川」と呼び名が変わっても、その川の流れも、流れている水も何も変わりがないことと同じです。

この隙間に脳脊髄液が存在するということは、同時にそこがウィルスや有害物質が脳領域に侵入するルートになり得るということです。

ヘルペス脳炎やインフルエンザなどの脳内感染ルートが嗅神経や三叉神経の神経線維を通って脳内に侵入することが出来ることがその何よりの証拠です。

このように脳室で出来た脳脊髄液は、脳室から一度硬膜の内側にあるくも膜下腔に出て、頚部の静脈やリンパ管を経て、鎖骨の内側にある静脈角に還流し、心臓まで戻ります。

我々オステオパスはこの流れの手順を尊守して、この流れが滞りなく心臓まで戻るようにサポートすることが出来ます。

まず末梢の循環から改善することが安全な治療の第一歩です。

脳内の浮腫は手足末節の浮腫として伝播します。発熱した時に手足が異様にむくむことは誰しも経験のあることだと思います。これに対して手足をよくもんであげたりすると意外に早く病状が回復することがあります。これは母親の愛情もさることながら、医学的に根拠のあることなのです。

ゼネラル・オステオパシー・テクニック(クラシカル・オステオパシー)など全身の関節を動かして刺激することも大変有効なことだと思います。

それから上部胸郭、鎖骨、第一肋骨など、静脈やリンパ液が体幹に戻ってくる部分の流れを良くすることも必要です。

頸リンパや経静脈の流れを阻害する因子があればそれも取り除かなければなりません。

そのうえで頭蓋領域からの排液を試みます。

まず、頭蓋内の静脈洞の排液をしなければなりません。この作業は絶対に必須条件になります。

頭蓋内の排液を行う伝統的なテクニックに「ヴィーナス・サイナス・テクニック」というものがあります。これは以前には頻繁に行われていたテクニックなのでが、このテクニックが開発された時と今とでは、上記に述べてきたように、その背景の解剖学的な根拠がずいぶんと進歩しました。

現在では、頭蓋内の静脈という概念が、とてつもなく変化してきているのです。進歩した解剖学に則ってデザインされた静脈の排液テクニックの効果は素晴らしいものがあります。

そしていよいよ脳室内へのアプローチです。

しかし、この際に注意しなければならないことは、脳室内に過度の圧力をかけてはならいということです。

何故ならば、上記のように脳室は脳脊髄液の源泉であると同時に、有害物質が脳内に侵入しやすいウィークポイントだからです。

脳内の脳脊髄液をコントロールする方法に、CV4というテクニックがあります。
非常に素晴らしいテクニックなのですが、脳内感染の恐れがあるときに盲目的に古典的なCV4これを行うと脳幹に負圧がかかり有害物質が脳内に侵入するリスクが高まります。

サザーランド博士はご自分の書かれた書籍の中で脳幹について「第四脳室の床」という表現を好んで使用していました。感染症の場合、CV4は天井から床を圧迫し、脆弱な床を傷つけてしまう可能性が高まります。

感染症の疑いがあるときは、脳室内の圧力を下げて、速やかに脳室内の排液を促すべきです。

感染時に脳室内から比較的安全に脳脊髄液を排出出来る部位として、第四脳室からくも膜下腔に連絡する左右の「ルシュカ孔」と正中に開口している「マジェンディ孔」の三か所が挙げられます。

これらの孔を理解するためには小脳がどのように発生したかを知ることが出来ると理解の助けになります。

小脳は菱脳屈(橋屈)によって菱脳が髄脳の上に折り重なって発生します。

このときにアヒルのくちばしのように左右の端がふさがって形成されるのがルシュカ孔です。

アヒルの口の真ん中にはマジェンディ孔が形成されます。




このときに上から流れてくるCSFは、中央の前後に厚みのあるマジェンディ孔のある所を一番早く流れます。
両脇は側流となってスクロールして流れるため、中央部よりCSFの流れは緩慢です。



排液を行う際にはルシュカ孔とマジェンディ孔をどのように扱うかをきちんと考慮しなければなりません。この三つの孔を塞いで圧縮すれば脳室内の圧力は増加してしまいます。これはある種の治療時に非常に有効になりますが、感染症の時は危険があります。。

しかし、脳室内の脳脊髄液をこの三つの孔から排出するために、コンタクトする場所と加圧する方向を微妙に孔の構造に合わせて行えば、少しの変化で全く逆の効果を生むことが出来るのです。

そのためにはこの三つの孔を含む第四脳室の立体的なイメージを持つことが必要になります。このコンタクトポジションに入ると、第四脳室に対する圧力の変化が劇的に変わります。


第四脳室から排液できれば、そのまま脳内の静脈ルートに流してやれば脳や髄膜に対する炎症を防ぐことができます。

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